オーストラリアのカキ養殖業者が、「究極の『媚薬』」を作る技術を考えついたと胸を張っている。カキに、性機能不全の改善薬バイアグラ(Viagra)をエサとして与える養殖法である。

この養殖法を考案したのは、シドニー(Sydney)で名物「シドニー・ロック・オイスター(Sydney Rock Oyster)」を養殖するジョージ・メイ(George May)氏(59)。メイ氏は、2006年に前立腺ガンの診断を受けるまで、マーケティング業界で活躍していた。

■最も効果の高い「自然の媚薬」

カキにはもともと、性的欲求を刺激する成分が含まれているといわれ、「現代の媚薬」バイアグラとの相乗効果により、数百万ドル規模の市場が創出できるとメイ氏は期待する。
「まず、カキは『自然の媚薬』の中で最も効果が高い。さらにバイアグラを加えれば、大成功間違いなしだ」

だが、バイアグラで育てたカキの販売は、オーストラリアの厳しい規制に違反することになるだろう。さらに、バイアグラのメーカーで商標登録者でもある製薬大手ファイザー(Pfizer)からは、バイアグラの名称使用を中止するよう警告されている。

こうした2つの障害にもかかわらず、特製の「媚薬効果増強オイスター」の輸出は止まらないだろうとメイ氏はいう。
「バイアグラでカキを育てることを誰も止めることはできない。ファイザーが興奮しているのは、わたしがバイアグラの名称を使っているからだ。すでに、マカオ(Macau)や香港、モスクワ(Moscow)をはじめ、世界中から問い合わせが来ているよ」

■病気治療から発案

スコットランド出身のメイ氏は、自身を「マーケティングの天才」と自負する。「媚薬効果強化オイスター」は、昨年の前立腺ガンの手術後に引退し、シドニー北部の小さな漁村で村の男性らと遊んでいた時に考えついたという。

主治医はメイ氏に回復治療の一環として、毎日少量のバイアグラを処方していた。漁村で育てていたカキが病害で壊滅状態となり、養殖関係者らが困っているのを見て、カキにバイアグラを与えることを考えつき、「バイアグラや亜鉛、手に入るだけの媚薬をカキに与えてみたい」と提案した。

以来、カキに通常の浄化プロセスを施した後、バイアグラやマグネシウム、亜鉛などを海草とともに与える方法で特許を取った。
「カキは見違えるように元気になった。浄水で完全に浄化した後、ビタミンやミネラルを与えたわけだから。全体的に粒が大きくなったよ」

メイ氏が現在養殖しているカキは1000万個。自身も毎日10~20個を食べるという。これまでのところ、医薬品を含んだ食料を口にするということで懸念されるような副作用もないという。

一方、ファイザーの広報担当は、バイアグラというブランド名が使われている点に懸念を示し、「非常に典型的な商標問題と解釈している」と述べた。

 

 

 


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